まだ手を出されてないから大丈夫、と思ってしまう理由

はじめに読んでほしい記事

モラハラに気づきかけたとき、
多くの人が一度は、こう思います。
「でも、手は出されてないし」
「殴られてるわけじゃない」
「DVってほどじゃないよね」
この考えは、とても自然です。
そして同時に、いちばん自分を守りにくくする考えでもあります。

「手を出されてない=安全」という思い込み

私たちは小さい頃から、
「暴力=殴る・蹴る」というイメージで教えられてきました。
だからこそ、
怒鳴られる
無視される
機嫌で空気を支配される
人前と裏で態度が違う
あなたが悪い前提で話が進む
こうしたことが起きていても、
「でも暴力じゃないし」と、自分の違和感を打ち消してしまいます。
これは判断力が低いからではありません。
そう思わされる構造の中にいるだけです。

モラハラは「線」で分かれていない

よくある誤解があります。
「モラハラ(言葉)」
「DV(暴力)」
この2つは、まったく別物だと思われがちです。
でも実際は、一直線につながっています。
・言葉で支配する
・感情をコントロールする
・相手の反応を見て調整する
・境界線を少しずつ侵す
この積み重ねの先に、
「手が出る」ケースもあれば、
一生出ないまま、心だけが壊れていくケースもあります。
大事なのは、
「今どこにいるか」ではなく、
どの方向に進んでいるかです。

「まだ大丈夫」と思ってしまう本当の理由

では、なぜ私たちは
「まだ手を出されてないから大丈夫」と思ってしまうのでしょうか。
理由は一つではありません。
① 自分の感覚より“基準”を優先してしまう
「もっと大変な人がいる」
「本当に辛い人はこんなもんじゃない」
そうやって、
自分の苦しさを後回しにする癖がついている人ほど、
この考えに引っ張られます。
でも、苦しさに順位はありません。
② 相手を“悪者”にしたくない
モラハラに気づくということは、
相手の問題を認めることでもあります。
それは、
関係が壊れるかもしれない
今まで信じてきたものが揺らぐ
自分の選択を疑うことになる
だから無意識に、
「まだ大丈夫」という言葉で、現実を和らげてしまうのです。
③ 「我慢できている自分」でいようとする
これが一番多い。
・ここまで耐えてきた
・まだ壊れてない
・私なら大丈夫
そう思うことで、
自分を保ってきた人ほど、
違和感を“問題”として扱えなくなります。

手が出ないモラハラの、いちばん怖いところ

手を出さないモラハラの怖さは、
外から見えにくいことではありません。
中にいる本人が、気づきにくくなることです。
・怒られても「私が悪い」と思う
・不安でも「考えすぎ」と処理する
・嫌でも「普通だよね」と流す
こうして少しずつ、
自分の感覚を信じなくなっていきます。
それは、壊れる音がしない崩れ方です。

「OK解釈」が続くと、境界線は薄くなる

モラハラ関係では、
こんな解釈が積み重なっていきます。
「今日は機嫌が悪かっただけ」
「疲れてたんだと思う」
「私も言い方が悪かった」
一つひとつは、理解のある態度に見えます。
でもそれが続くと、境界線が曖昧になります。
そして相手は、
「ここまではOKなんだ」と学習します。
これは責める話ではありません。
多くの人が、知らないうちにやっています。

モラハラは“突然”エスカレートすることがある

ここで一つ、はっきり伝えておきたいことがあります。
モラハラは、
ある日いきなり段階が変わることがあります。
・あなたが限界に近づいたとき
・距離を取ろうとしたとき
・意見をはっきり言ったとき
それまで保たれていた「均衡」が崩れ、
相手の反応が急に強くなることがあります。
だからこそ、
「まだ手は出てない」という判断だけで
自分の安全を測るのは危険です。

見るべきなのは「手」ではなく「方向」

大切なのは、
今、殴られているかどうかではありません。
・あなたは萎縮していないか
・本音を飲み込む癖がついていないか
・安心より緊張が増えていないか
それが増えているなら、
関係は健全な方向には進んでいません。

あなたの違和感は、もう十分なサイン

「まだ大丈夫かも」と思いながら、
この記事を読んでいる時点で、
あなたの中にはすでに違和感があります。
それは、弱さではありません。
あなたの感覚が、まだ壊れていない証拠です。
ここは、
すぐに答えを出す場所ではありません。
ただ、
「まだ手を出されてないから大丈夫」
その考えを、
一度、横に置いてみる場所です。

次に読む記事
「手を出さないモラハラ」と「手を出すモラハラ」は、別物ではありません。
その違いと、エスカレートしていく流れについてはこちらで詳しく書いています。


手を出さないモラハラと手を出すモラハラの違い | モラ晴らし屋

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