感情を使わずに距離を取る方法

現実との距離の取り方

モラハラに気づいたあと、多くの人がまず悩むのは「どうやって距離を取ればいいのか」ということです。
怒鳴り返すのは違う気がする。
話し合おうとしても、結局自分だけが疲れる。
無視するのも、冷たい人間になったようで苦しい。
そんな中で、一番ダメージが少なく、実は一番効果が高いのが「感情を使わずに距離を取る」という方法です。
これは我慢でも、無関心でも、冷酷さでもありません。
自分を守るための、ごく現実的な行動です。

感情を使わない、とはどういうことか

感情を使わないと聞くと、多くの人は「何も感じないようにすること」だと思ってしまいます。
でも、それは違います。
悲しいと思っていい。
腹が立ってもいい。
怖いと感じてもいい。
大事なのは、それを相手に渡さないことです。
モラハラ関係では、相手は言葉や態度そのものよりも、こちらの反応を見ています。
傷ついた顔、必死な説明、泣きそうな声、怒りを抑えた態度。
それらはすべて「効いているサイン」として使われます。
感情を使わないというのは、感情を消すことではなく、相手の前で反応として使わないことです。

まずやめるべきことは「説明」

モラハラ関係で一番消耗する行為は、分かってもらおうとすることです。
「私はこういうつもりで言ったわけじゃなくて」
「普通はこう思うと思う」
「ちゃんと話し合いたいだけなのに」
こうした説明は、誠実な人ほど自然に出てしまいます。
でも、相手がモラハラの場合、それは話し合いではなく、材料になります。
説明すればするほど、言葉尻を取られ、論点をずらされ、最終的には「あなたが悪い」という形に持っていかれる。
これは理解不足ではなく、構造です。
だからまず、説明をやめます。
理解してもらう努力を、手放します。

返事は短く、一定にする

感情を使わずに距離を取るために大切なのは、反応の仕方です。
長く話さない。
感情を乗せない。
言葉の温度を一定に保つ。
使いやすい返事は、次のようなものです。
「そうなんや」
「分かった」
「今は無理」
「その話はしない」
「また今度」
ポイントは、言い返さないことと、広げないことです。
同じ言葉を、同じ調子で繰り返す。
相手が感情をぶつけてきても、こちらの反応は変えない。
最初は不自然に感じるかもしれません。
でも、これは無視ではありません。
関係の主導権を相手から引き戻す行為です。

不機嫌や空気に反応しない

モラハラは、怒鳴るよりも静かな形で行われることが多いです。
無視。
ため息。
不機嫌な沈黙。
空気が重くなる感覚。
多くの人は、これに敏感に反応してしまいます。
顔色を見て、先回りして、空気を和らげようとする。
でも、この反応こそが支配を成立させています。
空気は、反応があって初めて力を持ちます。
反応しなければ、ただの沈黙です。
相手の機嫌を見にいかない。
理由を探さない。
自分の行動を変えない。
これを続けると、相手は必ず手応えを失います。
感情が返ってこない関係は、操作できないからです。

距離は物理から取る

いきなり心の距離を取ろうとすると、苦しくなります。
だから順番が大事です。
まずは物理的な距離。
別の部屋に行く。
先に寝る。
外に出る。
イヤホンをつける。
スマホを見る。
これは逃げではありません。
刺激を減らす行動です。
次に会話の距離。
必要以上に話さない。
深掘りしない。
相槌だけで終わらせる。
最後に心理的な距離。
相手の言葉を真に受けない。
評価を信じない。
「これは相手の問題だ」と切り分ける。
この順番を守ると、心は少しずつ楽になります。

罪悪感が出てきたとき

距離を取ると、ほぼ必ず罪悪感が出てきます。
冷たいことをしている気がする。
自分が悪者になった気がする。
関係を壊しているように感じる。
でも、その罪悪感は、優しさが原因です。
あなたが人の感情を大切にしてきた証拠です。
自分にこう言ってください。
私は攻撃していない。
私は無視しているわけでもない。
私はただ、自分を守っているだけ。
境界線を引くことは、悪意ではありません

感情を使わない人が一番強い

モラハラは、感情を動かせる相手にしか成立しません。
怒り。
不安。
悲しみ。
罪悪感。
これらを操作できなくなると、相手は力を失います。
静かで、一定で、説明しない人。
感情を渡さず、境界線を持っている人。
それが、いちばん強い立場です。
距離を取るというのは、相手を変えるための手段ではありません。
自分の感覚を守り、取り戻すための行動です。
あなたは冷たくなったのではありません。
やっと、自分を大切にし始めただけです。

感情を使わずに距離を取り始めると、
次に起きやすいのが「揺り戻し」です。
相手が急に優しくなったり、態度を変えてくる理由については、
次の記事で整理しています。

距離を取り始めたときに起きやすい「揺り戻し」──相手が急に優しくなる理由 | モラ晴らし屋

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