モラハラはなぜ分かりにくいのか(構造の入口)

モラハラの構造・種類

モラハラと聞くと、
怒鳴る、暴力的、威圧的。
そんな分かりやすい姿を想像する人が多いかもしれません。
けれど実際には、
モラハラに悩んでいる多くの人が、最初こう思います。
「これってモラハラなのかな」
「私の考えすぎかもしれない」
「大げさに受け取っているだけかも」
はっきりとした被害だと言い切れない。
説明しようとすると言葉に詰まる。
でも、確かにしんどい。
この“分からなさ”こそが、
モラハラの一番の特徴です。
モラハラは、
気づかれないように、
気づきにくい形で成り立つ構造を持っています。
これは、
あなたの理解力が足りないからでも、
我慢が足りないからでもありません。
構造そのものが、
「分かりにくくできている」のです。

表では問題が見えない

モラハラが分かりにくい理由のひとつに、
外と中での顔の違いがあります。
外では、
・仕事ができる
・人当たりがいい
・評価が高い
・常識的に見える
そんな姿を見せる人も少なくありません。
そのため、
いざ悩みを打ち明けようとしても、
こう返されることがあります。
「え?あの人が?」
「そんな人に見えないけど」
「考えすぎじゃない?」
被害を受けている側は、
そのたびに自分を疑います。
「やっぱり私の受け取り方が悪いのかな」
「周りが正しくて、私が間違っているのかも」
でも、
外での顔と、家の中での顔が違うこと自体、
珍しいことではありません。
モラハラは、
“人前で問題にならない形”を選びながら、
関係の中だけで力を持ちます。
だから、周囲からは見えにくいのです。

言葉が問題をぼかしていく

モラハラが分かりにくいもうひとつの理由は、
言葉の使い方にあります。
怒鳴らなくても、
暴力を振るわなくても、
相手を追い詰めることはできます。
・正論
・理屈
・冷静な口調
・「普通ならこうする」という基準
こうした言葉は、
一見すると正しく聞こえます。
話し合いをしようとしても、
気づけば論点がすり替わり、
最後にはこう感じることがあります。
「結局、私が悪いって話になっている」
「何を言っても、うまく説明できない」
「話すほど、自信がなくなる」
これは、
話し合いが下手だから起きているのではありません。
言葉が、
“対等に理解し合うため”ではなく、
“優位に立つため”に使われている構造だからです。
その中にいると、
自分の感情や違和感が、
うまく言葉にならなくなっていきます。

感情ではなく空気で支配される

モラハラは、
はっきりと命令しなくても成立します。
・不機嫌
・無視
・ため息
・空気の変化
これらは、
直接的な言葉よりも強く作用することがあります。
「今日は機嫌が悪そうだから、話すのはやめておこう」
「これを言ったら、また空気が悪くなるかも」
そうやって、
こちらが先回りして行動を変えるようになると、
支配は完成します。
相手は何も言っていない。
でも、こちらは常に気を使っている。
この状態は、
外から見ると“何も起きていない”ように見えます。
だからこそ、
自分でも被害として認識しづらいのです。

我慢できる人が選ばれる

モラハラが分かりにくい理由には、
関係の中で選ばれる人の特徴も関係しています。
モラハラの構造は、
誰にでも同じように起きるわけではありません。
・責任感が強い
・我慢強い
・人の気持ちを考えられる
・関係を壊したくない
こうした人ほど、
無意識のうちに“適応”してしまいます。
我慢できてしまう。
耐えられてしまう。
説明しようと努力してしまう。
その結果、
問題が表に出にくくなり、
長く続いてしまうのです。
これは、
弱さではありません。
むしろ、
生きる力がある人ほど、
この構造に巻き込まれやすいとも言えます。

気づいたときには、感覚が鈍っている

モラハラの怖さは、
一気に壊されることではありません。
少しずつ、
静かに、
感覚が鈍っていくことです。
・嫌だと感じても、流す
・苦しくても、我慢する
・違和感があっても、考えすぎだと思う
これを繰り返すうちに、
「何が嫌なのか」が分からなくなっていきます。
だから、
後から振り返っても、
はっきりした出来事として説明できない。
その結果、
「分からない自分が悪いのかも」
という思考に陥ってしまいます。
でも、
分からないのは当然です。
モラハラは、
分からない状態を作り出すことで、
成り立つ構造なのです。

構造を知ることは、答えを出すことではない

ここまで読んで、
「じゃあ、どうすればいいの?」
そう思った人もいるかもしれません。
でも、
この段階で答えを出す必要はありません。
構造を知ることは、
行動を決めることではありません。
ただ、
「分からなかったのは、私のせいじゃなかったかもしれない」
そう思えること。
それだけで、
十分な一歩です。

入口に立っただけでいい

このページは、
モラハラを断定するためのものではありません。
誰かを悪者にするためでもありません。
ただ、
これまで感じてきた違和感に、
名前がつくかもしれない。
構造を知ることで、
自分を責める必要がなかったと気づける。
今日は、
それだけで十分です。
ここは、構造の入口。
まだ中に入らなくてもいい。
立ち止まって、
「そういう仕組みだったのかもしれない」
そう感じられたなら、
それで大丈夫です。
もし次に読むなら、
この構造がどうやって固定されていくのか。
「上下関係」がどのように作られるのか。
それを、
もう少しだけ整理していきます。
今日はここまでで、
ちゃんと進めています。

次に読む記事

モラハラが分かりにくい理由のひとつに、

関係の中で「上下」が固定されていく仕組みがあります。

次の記事では、その上下関係がどのように作られていくのかを整理しています。

モラハラで上下関係が固定される仕組み | モラ晴らし屋

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