モラハラに気づいた人の多くが、あとからこう振り返ります。
「最初は、こんなにひどくなかった」
「だんだんおかしくなっていった気がする」
この感覚は、間違っていません。
モラハラは、最初から完成形で現れることはほとんどないからです。
モラハラは「段階的」に進行する
モラハラの特徴は、突然激しくなるのではなく、
少しずつ、確実にエスカレートしていくことです。
最初は、こんな形で始まることが多いです。
・軽い皮肉
・冗談のような否定
・機嫌が悪いときの無言
・ため息や空気の変化
この段階では、被害者側もこう思います。
「疲れてるだけかも」
「私の受け取りすぎかも」
ここが、最初の分岐点です。
エスカレートの正体は「成功体験」
モラハラが強くなっていく理由は、
相手が“悪人だから”だけではありません。
もっと構造的な理由があります。
それは、
モラハラが「通用した」という成功体験です。
・嫌なことを言ったら、相手が黙った
・無視したら、相手が機嫌を取ってきた
・責めたら、相手が謝った
この積み重ねによって、相手の中で
「このやり方は効く」
という学習が起きます。
これは無意識のことも多く、
自覚がないまま行動が強化されていきます。
我慢は「ブレーキ」ではなく「燃料」になる
多くの人が誤解しているのが、ここです。
「私が我慢すれば、これ以上ひどくならない」
「刺激しなければ、落ち着くはず」
でも実際には、
我慢はエスカレートを止めません。
むしろ逆です。
我慢することで、相手は
「このくらいは許される」
「まだいける」
と感じてしまう。
我慢は、関係を保つための努力に見えて、
構造的にはモラハラを維持・強化する役割になってしまうことがあります。
「たまに優しい」がエスカレートを見えにくくする
モラハラが分かりにくい最大の理由のひとつが、
優しい時期が存在することです。
・急に機嫌が良くなる
・謝ってくる
・以前のように普通に接してくる
このとき、被害者はこう感じます。
「やっぱり本当は悪い人じゃない」
「私の対応次第かもしれない」
しかし、この優しさは
エスカレートの“終わり”ではありません。
多くの場合、
次の段階に進むためのリセット期間です。
緊張と安心を交互に与えられることで、
判断力は鈍り、違和感は後回しにされていきます。
境界線が壊れると、次の段階に入る
モラハラが進行すると、
少しずつ境界線が壊れていきます。
・嫌だと言えなくなる
・説明をやめる
・反論する前に諦める
・自分の感覚を疑う
ここまで来ると、
モラハラは「出来事」ではなく
日常の前提になります。
この状態では、
相手の言動がさらに強くなっても、
「おかしい」と判断すること自体が難しくなります。
エスカレートは「性格」では止まらない
よく言われます。
「相手の性格が悪いから」
「気分屋だから」
でも、エスカレートを決めるのは性格ではありません。
関係の構造です。
・力関係
・我慢する役割
・話し合いが成立しない状態
この構造が続く限り、
エスカレートは自然に起こります。
逆に言えば、
構造が変わらないまま
「もう少し頑張る」は、
現実的な解決にはなりません。
「ここまで来たら気づいていい」
モラハラがエスカレートしていると感じたとき、
あなたが気づくのが遅かったわけではありません。
それだけ、
分かりにくい形で進行してきたということです。
気づいた今が、
いちばん早いタイミングです。
このブログは、
「すぐに決断しろ」と言う場所ではありません。
ただ、
エスカレートの仕組みを知り、
自分の感覚を取り戻すための材料を置いています。
モラハラが進行する仕組みを知ったあと、
次に多くの人が悩むのは
「じゃあ、どこで線を引けばいいのか」という問題です。
モラハラ相手に距離をとる=冷たい、ではない | モラ晴らし屋も参考にしてみてください。



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