モラハラ気質の裏にあるもの|劣等感と支配欲の関係

心理メカニズム

モラハラを受けていると、多くの人がこう感じます。
「私の言い方が悪かったのかな」
「私がもっと気を遣えば怒らなかったのかも」
「私が至らないから責められるのかもしれない」
そう考えてしまうのは、とても自然な反応です。
関係を壊したくない。穏やかに過ごしたい。
その思いがあるほど、人は自分の行動を振り返ります。
しかし実際には、モラハラ的な態度はあなたの価値とは関係なく生まれている場合が多くあります。
その背景には、相手の内面にある不安や劣等感、そして安心を得るための行動パターンが関係していることがあります。
ここで大切なのは、相手を理解することと、行動を受け入れることは別だという点です。
仕組みを理解することで、自分を責める必要がなくなるのです。

劣等感とは「自信がない人」のことではない

劣等感という言葉を聞くと、弱々しく自信がない人を想像するかもしれません。
しかし実際の劣等感は、必ずしも外から見えるものではありません。
むしろ、
・評価されたい気持ちが強い
・自分の正しさにこだわる
・人と比較して優位に立ちたい
・否定されることへの恐れが強い
といった形で現れることがあります。
内面に不安を抱えている人ほど、それを見せないように強く振る舞うこともあります。
そのため、外からは自信があるように見えても、内面では評価への恐れを抱えている場合があります。

不安が強い人ほど「支配」によって安心しようとする

人は安心できる状態を求めます。
自分の価値に不安があるとき、その安心を得る方法を探します。
そのひとつが、「相手より上に立つこと」です。
・相手を否定する
・意見を押さえつける
・正しさを独占する
・支配的な態度を取る
こうした行動は、相手をコントロールすることで安心感を得ようとする反応でもあります。
対等な関係では、自分の立場が揺らぐ可能性があります。
しかし上下関係を作れば、自分の位置を確認し続けることができます。
これは健全な関係の形ではありませんが、不安を抱える人にとっては安心材料になってしまうことがあります。

否定される恐れが攻撃的な態度として現れる

強い劣等感を抱えている人は、否定されることに敏感に反応する傾向があります。
たとえば、
・指摘されると激しく反論する
・自分の非を認めない
・責任を他人に転嫁する
・相手の欠点を強調する
これは攻撃したいからではなく、自分が否定されることへの恐れから防御的に反応している場合があります。
しかしその防御反応は、相手にとっては攻撃として受け取られます。
その結果、関係の中で緊張感が生まれ、安心して話せない空気が作られていきます。

対等な関係が不安を刺激することもある

健全な関係では、お互いの意見を尊重し、違いを認め合います。
しかし、自己評価が不安定な人にとっては、対等な関係そのものが不安を刺激することがあります。
対等であるということは、
・自分の正しさが保証されない
・相手にも同じ価値がある
・自分が否定される可能性がある
という状態でもあるからです。
その不安を避けるために、上下関係を作ろうとする場合があります。

外では評価が高いのに家庭で態度が変わる理由

モラハラに悩む人の多くが戸惑うのが、
「外ではいい人なのに、家では別人のよう」
という状況です。
外では役割や評価が明確であり、社会的ルールも存在します。
そのため、自分の立場が守られやすく、不安が刺激されにくい環境です。
一方、家庭は役割が曖昧で、感情が近い距離で関わる場です。
その近さが不安を刺激し、支配的な態度として現れることがあります。

理解することは、相手を許すことではない

ここで大切なことがあります。
モラハラ的な態度の背景に不安や劣等感があるとしても、
その行動が許されるわけではありません。
理解する目的は、相手を擁護するためではなく、
自分を責めないためです。
「私が悪いからこうなるのではない」
と理解できたとき、自分の感覚を取り戻すことができます

あなたの価値が否定されているわけではない

モラハラ的な言動を受け続けると、自分の価値そのものが否定されているように感じることがあります。
しかし、相手の態度はあなたの価値を示しているのではありません。
相手の不安の対処方法が、支配という形で現れているだけです。
あなたの価値が低いわけではありません。
あなたの感じ方が間違っているわけでもありません。

最後に

モラハラ気質の背景には、不安や劣等感が関係している場合があります。
しかしそれは、あなたが責められてよい理由にはなりません。
仕組みを理解することで、自分を責める思考から少し離れることができます。
あなたの価値は、誰かの態度によって決まるものではありません。
そしてあなたは、対等で安心できる関係の中で生きていい存在です。
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