モラハラ用語|ディフレクションとは?|責任のかかる話から逃げる心理

モラハラ用語

ディフレクションとは?

「子どものことで話があるねん。」

そう切り出したのに、返ってきたのは、

「お前こそ昨日○○してたやん。」

「いや、その話をしてるんじゃない。」

そう思ったことはありませんか?

本題について話したいだけなのに、いつの間にか別の話になり、最後には自分が謝って終わる。

このように、責任を負わなければならない話になると、本題から話をそらして責任を回避しようとする心理的な手法を、ディフレクション(Deflection)といいます。


目的は「話を変えること」ではなく「責任から逃げること」

ディフレクションは、ただ話題を変えることではありません。

本当の目的は、責任を負わなくて済む状況を作ることです。

例えば、約束を守らなかったことを指摘されると、

「お前も前に約束破ったやん。」

子どもへの対応を相談すると、

「お前の育て方にも問題あるやろ。」

このように、本来向き合うべき話から意識をそらしてしまいます。

その結果、「約束を守らなかったこと」や「子どものこと」は後回しになり、責任だけがあいまいになります。


モラハラでよくあるディフレクションの例

① 約束を破ったことを指摘すると…

「仕事で疲れてた。」

「お前も遅刻したことあるやん。」

約束を守らなかった話ではなく、あなたの話へ変わってしまいます。


② 子どものことで相談すると…

「なんで俺ばっかり責めるん?」

「お前の言い方がきつい。」

子どもの話は消え、「責められた自分」の話へすり替わります。


③ お金の話をすると…

「そんな細かいこと気にするな。」

「昔はもっと大変やった。」

家計の話をしたかっただけなのに、昔話や精神論へ変わってしまいます。


④ 嘘をついたことを聞くと…

「信用してないんやな。」

「疑う方がおかしい。」

嘘をついたかどうかではなく、「疑ったあなた」が問題にされます。


なぜ話が終わらないのか

ディフレクションをされると、本題がどんどん遠ざかります。

「その話じゃない。」

と思っても、次々に別の話題が出てくるため、元の話へ戻れなくなります。

そして気付けば、

  • 自分が言い返してしまった。
  • 自分が謝って終わった。
  • 最初に何を話したかったのか分からなくなった。

そんな経験をした人も少なくありません。

しかし、それは話し合いが進んだからではありません。

責任のかかる話から意識をそらされた結果なのです。


責任から逃げる人ほど、本題に戻りたがらない

本当に解決したい人なら、「どうすれば良かったか」を一緒に考えようとします。

しかし、ディフレクションを繰り返す人は、本題へ戻ることを嫌います。

なぜなら、本題へ戻れば、自分の責任と向き合わなければならないからです。

だからこそ、別の話題を出したり、昔の出来事を持ち出したり、相手の欠点を指摘したりして、本題から遠ざけようとします。

もし話し合いのたびに、「気付けば違う話になっている」と感じるなら、一度立ち止まってみてください。

話題が変わったのではなく、責任のかかる話から逃げられているのかもしれません。


すべての話題転換がディフレクションではない

ここで大切なのは、話題が変わること自体がディフレクションではないということです。

会話の流れで別の話題になることは、誰にでもあります。

しかし、ディフレクションには一つの特徴があります。

責任を負わなければならない話になった瞬間に、本題から離れていくことです。

つまり問題なのは、「話題が変わったこと」ではなく、その目的が責任を回避することにある点です。


ディフレクションとブレイムシフティングの違い

ディフレクションとブレイムシフティングは、一緒に使われることが多いため混同されがちです。

ディフレクションは、本題から話をそらして責任を回避することです。

一方、ブレイムシフティングは、自分の責任を相手へ押し付けることです。

例えば、約束を破ったことを指摘すると、

「お前も前に約束破ったやん。」

これは本題をそらすディフレクションです。

さらに、

「お前がそうさせたんや。」

となれば、自分の責任を相手へ押し付けるブレイムシフティングになります。

詳しくは、モラハラ用語|ブレイムシフティングとは?|悪いのは全部あなたになる心理をご覧ください。


ディフレクションとトーンポリシングの違い

トーンポリシングは、「言い方」や「口調」を問題にして、本題を見えなくする心理操作です。

ディフレクションは、「別の話」を持ち出して責任から逃げようとします。

例えば、

「子どものことで相談したい。」

と言うと、

「その言い方やめて。」

これはトーンポリシングです。

一方、

「お前こそ昨日○○してたやん。」

これはディフレクションです。

どちらも本題から離れますが、使っている手法が違います。

詳しくは、モラハラ用語|トーンポリシングとは?|「その言い方」が論点になる理由をご覧ください。


ディフレクションとワードサラダの違い

ワードサラダは、話があちこちへ飛び、本題そのものが分からなくなる状態です。

一方、ディフレクションは、本題は分かっているにもかかわらず、意図的に別の話へ移して責任を避けようとします。

どちらも「話し合いが進まない」という結果は同じですが、目的や進み方が異なります。

詳しくは、モラハラ用語|ワードサラダとは?|本題迷子の話し合いをご覧ください。


どう対応すればいい?

ディフレクションをされたときは、相手が持ち出した新しい話題に乗らないことが大切です。

例えば、

「その話は後で聞くね。」

「今は最初の話をしたい。」

と、本題へ戻すことを意識します。

相手の話題に次々反応してしまうと、本来話し合いたかったことは解決しないまま終わってしまいます。

もちろん、一度で戻れるとは限りません。

しかし、「今は何について話していたのか」を見失わないことが、自分を守る第一歩になります。


まとめ

ディフレクションとは、責任を負わなければならない場面で、本題から話をそらし、責任を回避しようとする心理的な手法です。

話題が変わること自体が問題なのではありません。

責任と向き合わないために、本題を見えなくしてしまうことが問題なのです。

もし話し合いのたびに、「また違う話になって終わった」と感じるなら、一度思い出してみてください。

最初に話したかったことは何だったのか。

その本題を忘れないことが、ディフレクションに巻き込まれないための大切な一歩になります。


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