モラハラ用語|トライアンギュレーションとは?|第三者を使って支配する心理

モラハラ用語

トライアンギュレーションとは?

トライアンギュレーション(Triangulation)とは、自分と相手だけで解決すればいい問題に、第三者を巻き込み、自分を有利な立場にしようとする心理的な手法です。

「Triangulation」は「三角関係化」という意味があります。

本来は一対一で話し合える内容なのに、親や子ども、友人、職場の人、先生など第三者の存在を持ち出し、相手へプレッシャーをかけます。

モラハラでは、この心理操作が日常的に使われることがあります。


「みんなそう言ってる」

こんな言葉を言われたことはありませんか?

  • 「みんなそう言ってる。」
  • 「俺の周りはみんなそうや。」
  • 「普通はそうするやろ。」
  • 「母親もそう言ってた。」
  • 「友達もお前がおかしいって言ってた。」
  • 「子どももそう思ってる。」

もし本当に第三者がそう話していたとしても、それだけであなたが間違っているとは限りません。

そして、実際には誰にも相談していないのに、「みんな」という言葉だけを使って相手を追い詰めるケースもあります。

こうして、自分一人の意見ではなく、「みんなの意見」に見せることで、相手を黙らせようとします。


本当に「みんな」なのでしょうか?

「みんなそう言ってる。」

そう言われると、多くの人は不安になります。

「私がおかしいのかな。」

「私だけがおかしいのかも。」

そう思ってしまうからです。

でも、一度立ち止まって考えてみてください。

その「みんな」は誰なのでしょうか。

名前はありますか。

本当に相談したのでしょうか。

それとも、「みんな」という言葉を使っているだけでしょうか。

「普通は」「みんなは」という言葉には、大きな心理的プレッシャーがあります。

だからこそ、相手はその言葉を利用することがあります。


実際に相談したことと何が違うの?

ここは、とても大切なポイントです。

第三者の話をしたからといって、すべてがトライアンギュレーションになるわけではありません。

例えば、本当に信頼できる友人や専門家へ相談し、その内容を相手へ伝えることがあります。

「友達に相談したら、こう言われた。」

「カウンセラーさんはこう考えていた。」

「弁護士さんからは、こう説明を受けた。」

これは、自分一人では判断できなかったために助言を求め、その内容を共有しているだけです。

一方で、トライアンギュレーションでは、第三者を利用して相手を支配しようとします。

実際には相談していないのに、

「みんなそう言ってる。」

「俺の周りは全員そう思ってる。」

「普通はこうや。」

と話すことがあります。

また、本当に相談していたとしても、自分に都合のいい部分だけを切り取り、「ほら、やっぱりお前が悪い」と相手を追い詰めるために利用することもあります。

つまり違いは、第三者の名前を出したかどうかではありません。

目的が、助言を共有することなのか、それとも相手を支配したり黙らせたりすることなのか。

そこが一番大きな違いです。


第三者を利用したこんな例もあります

  • 「お母さんもお前がおかしいって言ってた。」
  • 「子どももお前のこと嫌がってる。」
  • 「会社の人もそう言ってた。」
  • 「先生もそう言ってた。」
  • 「友達に相談したら、お前が悪いって。」
  • 「普通は嫁がやるやろ。」
  • 「俺の周りはみんなそうしてる。」

こうした言葉は、本当に第三者の意見なのか分からない場合もあります。

また、仮に本当にそう言われていたとしても、それが絶対に正しいとは限りません。

それでも「みんな」という言葉には、人を不安にさせる力があります。

だからこそ、心理操作として利用されることがあるのです。


なぜ第三者を利用するのでしょうか

では、なぜわざわざ第三者を持ち出すのでしょうか。

理由の一つは、自分一人の意見では説得力が弱いと感じているからです。

「私はそう思う。」ではなく、

「みんなそう思っている。」

「普通はそうや。」

と言われると、多くの人は反論しにくくなります。

つまり、第三者を利用することで、自分の意見を「世間の常識」のように見せようとしているのです。

また、相手に「自分がおかしいのかもしれない」と思わせ、自信を失わせる目的で使われることもあります。


「普通は」という言葉も武器になる

トライアンギュレーションでは、「普通」という言葉がよく使われます。

「普通の嫁ならそうする。」

「普通の旦那ならこうや。」

「普通は親にそんなこと言わへん。」

でも、「普通」は人によって違います。

育った家庭も違えば、価値観も違います。

それなのに、自分の価値観を「普通」と決めつけ、それに従わない相手を責める。

それは話し合いではなく、価値観を押し付けることになってしまいます。


ガスライティングとの違い

トライアンギュレーションとガスライティングは、一緒に使われることがあります。

例えば、

「みんなお前がおかしいって言ってる。」

と言われたあとに、

「考えすぎや。」

「そんなこと言ってない。」

「被害妄想や。」

と言われる。

第三者を利用して不安にさせ、そのあと本人の感じ方まで否定する。

こうして、自分の感覚に自信が持てなくなってしまうことがあります。


スミアキャンペーンとの関係

トライアンギュレーションは、スミアキャンペーンにつながることもあります。

例えば、周囲へ一方的な話だけを伝え、

「あの人はこんな人なんです。」

と印象づける。

その結果、本当に第三者が加害者側の味方になってしまうことがあります。

そして今度は、

「ほら、みんなもそう言ってる。」

と、その人たちを利用してさらに追い詰める。

こうして心理操作が繰り返されることもあります。


DARVOにもつながることがあります

トライアンギュレーションは、DARVOと組み合わされることもあります。

自分が責められる立場になると、

「みんなもお前がおかしいって言ってる。」

「母親もそう言ってた。」

などと第三者を持ち出し、自分が被害者であるかのように話を変えていきます。

すると、本来の問題から話がそれてしまい、被害者の方が責められる立場になることがあります。


どう対応すればいい?

まず覚えておいてほしいのは、「みんな」と言われても、慌てて自分を否定しないことです。

本当に相談した結果なのか。

それとも、相手が都合よく第三者を利用しているだけなのか。

一度立ち止まって考えてみてください。

そして、もし話し合いができる相手なら、

「その人本人は何と言っていたの?」

「実際に相談したの?」

と落ち着いて確認することも一つの方法です。

また、本当に困っている時は、一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家へ相談してください。

助けを求めることと、第三者を利用して相手を支配することは、まったく違います。


まとめ

トライアンギュレーションとは、第三者を利用して相手を追い詰めたり、自分を有利な立場に置こうとしたりする心理的な手法です。

「みんなそう言ってる。」

「普通はこうや。」

そんな言葉を繰り返されると、自分がおかしいのではないかと思ってしまうことがあります。

でも、本当に大切なのは、「誰が言ったか」ではありません。

その言葉が、問題を解決するために使われているのか。

それとも、あなたを黙らせたり支配したりするために使われているのか。

そこを見極めることが、自分を守る第一歩になります。


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